カテゴリー「◎みいめのきもの知恵袋」の記事

【キモノ】名古屋帯の変わり結び。「翻華太鼓」の結び方。

友人との「きもの会」で、名古屋帯の変わり結びをしたいという声がありました。
彼女はさっそくネットからお太鼓の変わり結びをチョイス。
それはリボン太鼓の変形とも言えるものだったよう。(わたしは画像はみていないの)
170415223145575_deco 変わり結びする帯は綴八寸帯、手先も八寸幅のままだったので、手先から5枚屏風だたみし、コサージュと丸組の帯締を使ってゴムを隠します。
ただ、たいてい名古屋帯の手先側は、締めやすくするために半分の幅になっています。
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ここでは、ワンポイント柄の九寸名古屋帯を使って、ちょっと可愛くて華やかな帯結びを試して見たいと思います。
出来上がりは↓こんな感じです。
170416202008168_deco_2 まず、手先部分で、〈リボン飾り〉を作っていきます。
下の[a-1]から[a-5]までで、まず、飾り部分を作ってしまうのです。[a-1]帯幅分(約30センチ)で、二山半のヒダをとり、真ん中をヘアゴムで止めます。[a-1]〜[a-4]帯締を使って飾り結びをして、[a-5]真ん中のゴムにコサージュを留めたらできあがり。
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〈リボン飾り〉部分ができたら[1][2]、基本的には名古屋帯結びです。
[3]手先は30センチ近く短くなっているので、左脇ギリギリにクリップで止め、前太鼓の柄に気をつけながら、いつも取り二巻きします。
[4]背中まで手先を抜き、タレ元を三角に折りあげ、
[5]仮り紐Aで止めます。
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[6]普通なら前に持ってくる手先部分ですが、〈リボン飾り〉なので、帯山の高さに仮り紐Bを使って仮り止めしておきましょう。
[7]仮り紐A & Bは、前ではこんな感じになっています。
[8]帯山を作って〈リボン飾り〉をぐっと押し上げるように、帯枕ごと帯山を背中にあてましょう。
[9]〈リボン飾り〉を止めていた、仮り紐Aを使って、タレ先8〜10センチのところを押さえます。
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[10]仮り紐Bをタレの袋担っている部分に落としたあと、タレ先のところから左右より手を入れ、帯枕の上のほうまでもちあげます。
[11]仮り紐Bを、タレ先を押さえている、仮り紐Aに重ねるように、帯の下側にあてて、前でしっかり結びます。
[12]仮り紐A & Bは、前ではこんな感じになっています。
[13]帯締を、お太鼓の少し下目に通して、前でしっかり結び、仮り紐A & Bを取ります。
いつものように手先がないので、お太鼓の決め線が弛んでいるのがわかります。
[14]銀座太鼓と同じように、左右の脇部分は帯締までピッチリ揃えるのがコツ。
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できあがりです♪
170415221706441_photoリボン飾りの部分が、ヒラヒラとしていてお花のようなので、「翻華太鼓」という帯結び名にしてみました。
お太鼓部分はお太鼓結びより小さめ(銀座太鼓と同じ感じで)のほうが、キュートな感じになると思います。
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【日常】うわあ、いろいろ頑張らないと!

[雨のちくもり]
今日は七十二候の「虹始見(にじはじめてあらわる)」。雨の後に虹が出始める頃。
Dsc_0068 日差しが強くなってきたということですね。雨も止んだし、頑張って洗濯物干さないと・・・

Obi_130710 太陽光を「白」だとして、どうして虹の色が見えるのかというと「波長により屈折率がわずかに異なり、赤よりも青の光線の方が、より強く屈折されるため」だそうな。
さらに、虹は夕方や明け方など太陽高度が比較的低い雨上がりの空に見られることが多いのは、太陽が高いと反射してできた虹が低すぎてみえなくなるからです。そりゃそうだ。
←スミマセン!
虹柄の帯がなかったので、幻想的な柄の絽綴れ帯柄でお茶を濁してしまいました。。。

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先日折り紙で作る可愛いポチ袋がネットで紹介されているのを偶然みつけまして、最近ハマってます。
160413223655034_photo_2 折り紙は、両面(表が花で、裏がドット柄)のものを使用するのがポイントです。
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【日常】着物の丸洗いのこと

[晴れのち曇り]
予想よりはバタバタしましたが、まあ予定の範囲内な一日でした。
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今日知人に、着物の丸洗いのことで、相談を受けました。
着物のお手入れって、素材によっては洋服以上に気をつかいますよね。
まず、「丸洗い」って言葉がわかりにくいと思います。
簡単にいうと皮脂汚れやほこり、チリ、排気ガスなどの油性の薄汚れを全体的に落とすお手入れのことで、水は使わず、専用の溶剤でドライクリーニングします。
丁寧な着物専門クリーニング店の場合は、一枚ずつネットに入れて洗ってくれます。
さらにきちんとしたお店の場合は、丸洗いの前に、職人が衿・袖口・裾を中心に、汚れ部分を手作業にてしっかり下洗いしてくれますし、アイロンがけも、蒸気でふんわり。とっても丁寧! その分ちょっとお高くなりますが、それはしかたがないですね。

ところで「丸洗い」に向かない着物があります。
基本的にはドライ専用の洗濯機でガラガラ洗うので、「刺繍」「箔」「螺鈿」「絞り」などが施されているものは、要注意です。
水は使わないので「絞り」は伸びたり縮んたりはしないのですが、仕上げの際に全体にプレスしたりして、どうしても絞りがつぶれたり、ゆるんだりする可能性があります。
特殊な加工のある着物の場合は、個人的には「部分洗い」をお勧めしたいです。
もちろん丁寧にケアーしてくれるお店もいっぱいありますし、うまくいく可能性は大いにありますので、判断は自己責任で。

Yu_sibori01 なお、有松絞りの木綿浴衣ですが、
こちらはクリーニングではなく、すっきり水洗い(ネットに入れて短時間の「手洗い」コースで)をお勧めします。
お洗濯後、絞りによってはシボが戻り、縮んでしまったように感じますが、これは絞りの特性です。どうしても気になる、着付けにくいようなら、(シボを潰さないように気をつけて)軽くアイロンをかけたり、重しをしてのばすなどして落ち着かせましょう。

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【みいめ塾】補整について

きものを着るとき、補整の仕方をマスターしていると、
TPOに合った着付を簡単に実現できます。

15年位前に作成したテキストを数年前に修正したものを、
今回新しく書き直したバージョンの資料をアップしておきますのでご参考まで!

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【キモノ/小物】普段着の帯揚いろいろ

帯揚ってすこしずつ色を足していくうちに、気がつけば結構増えていくもんです。
始めは冬ものと夏もの用でひとつづつの箱を用意していましたが、今は普段用にふた箱、夏用にひと箱、フォーマル用でひと箱、計四箱になっていました。
写真は、普段用のもの(約七〇枚)。色に分けて並べると使いやすいのです。
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【半衿/付け方】付けはずし簡単な縫い方

実はワタシ、半衿付けが趣味なのです。
なのでいつもぼんやりアニメを1本観る間に、一枚仕上げるって感じです。日常的に着物を着るとなると、そのくらいの縫い方で全然良いってことなんですよ。

120921_001 〈01〉まずはアイロンでシワをしっかりのばし、できるだけ縫いやすくしておきます。

〈02〉表側から付けていきます。
半衿を1センチほど折ったほうの真ん中を、長襦袢の背中心に合わせてマチ針で留めます。次に左右の衿肩あき部分をとめ、だんだん外に向かって留めていきます。
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120921_002 〈03〉針に糸をつけます。わたしの場合(無精もんなの、半衿の長さより15センチほど長い糸を使用してます。(慣れない人は短めにしてね)まず、端は返し縫いをしましょう。

〈04〉基本的には、ざっくりでも付いていれば良いので、2センチほどの間隔で糸を渡し5ミリほど地衿を掬っていきます。
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120921_003 〈05〉衿肩あきのところからは、衣紋部分なので少し丁寧に縫っておきましょう。だいたい半分の1センチほど。

〈06〉縫い終わりも、始まりと同じように返し縫いをしておいてください。
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120921_004 〈07〉裏側も真ん中部分から、スタートします。基本的にシワは端にもっていきたいので、マチ針はだんだん外(端)に向かって打っていくと自然にシワがよりにくくなるのです。
〈08〉内側を付けるときに、ちょっとしたコツがあります。衿肩あき部分のマチ針を打つときに、少しだけ半衿を引っ張るのです。そうするとあら不思議、写真のように地衿部分がたわみます。みただけで、丸みがでているのがわかれば成功です。
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120921_005 〈09〉端までマチ針を打ったら、表と同じように、衿肩あきまで、ざくざくと縫っていきましょう。

〈10〉問題の衿肩あきの内側は、たるみを上手くすくいながら「本ぐけ」しておきます。「本ぐけ」というのは、表に縫い糸がみえないよう、両側の縫い代を直角にすくってくけることです。2分から4分(約5ミリから1センチ)くらいでくけています。550_02_2

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【日常/半幅】半幅帯で、風船太鼓を結んでみる。

今日は、二十四節気の「白露」。「大気が冷えてきて草花に朝露がつくようになり、いよいよ秋の到来。」という意味だそうですが、全く肌寒さは感じませんねえ。でもまあ、夜には虫の鳴き声も聞くようになりましたので、蒸し暑い夜もあと数日でしょうか……。だと良いなあ。 120907_132501 120907_131801_2 mixiを読んでいたら、「風船太鼓」という帯結びが紹介されていて、気になってさっそく結んでみました。
お太鼓を支えるために三本紐を使い、帯締と帯揚を使ってたカタチを作ります。たれ先&お太鼓部分のたたみ方が楽しいけれど、短い帯だとちょっと作りにくいかな。
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試しに風船太鼓を結んではみたものの、あんまり楽な気がせず、すぐに解いて、ミンサー織の半幅帯で矢の字結びしてパソコンに向かったのでした。

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【半衿/生地】半衿に使用する生地いろいろ

半衿は「白」という風潮になったのは意外に最近のことで、キモノを日常着にしていた時分には、すぐに汚れが目立ってしまう白の半衿が普段使いであろうはずもなく、当然色衿が日常的に使用されたようです。汚れが取れなくなった白衿を染めて使ったり、キモノの残布を半衿に利用したり、いろいろ工夫していたようです。
わたしも、普段から毎日着るようになって、柄衿が好きになりました。ベンジンで拭いていても残ってしまった汚れがそんなに気にならないし、なにより衿を取り替えるだけで着ているキモノの雰囲気も変わるのでどんどんハマっていった気がします。
以下、持っている半衿生地を少しご紹介〜。

絽縮緬地刺繍入り 120828_122401 120828_122501

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←洋服用の生地を半衿に使用したものいろいろ。

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【生地/半衿】塩瀬羽二重のこと

羽二重は経(たて)糸と緯(よこ)糸を交互に交差させる「平織り」で織られた織物の一種で、通常の平織りが緯糸と同じ太さの経糸1本で織るのに対し、羽二重は経糸を細い2本にして織るため、やわらかく軽く光沢のある布となります。
塩瀬羽二重はさらに、緯糸を太くして畝織りとしたものです。
帯地、半衿、袱紗(ふくさ)などに用いられます。

「塩瀬」の名称は、千利休の袱紗所であった塩瀬九郎右衛門(朝鮮からの渡来人といわれている)の名からつけられたと言われています。

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【キモノ】浴衣を着ませんか。[浴衣のこと/テキスト篇]

浴衣のこと

 ◆半幅帯の帯結びは【コチラ(6/2のブログ)】をどうぞ! 

■着装のポイント
 ◎変わらぬポイント 三つ
  ☆背縫いを背中心にあわせます
  ☆おくみ線はおはしょりのところで上下一本にします
  ☆上前と下前のおはしょりが一枚になるよう整理します

 ◎変化するポイント 四つ
  ☆衣紋……指三本から握りこぶしひとつ抜きます
  ☆衿合わせ……のどのくぼみより指一〜三本開けます
  ☆裾線……くるぶしが隠れる程度
  ☆褄先の上がり……下前七、八センチ。上前は下前の半分ほどあげます

■浴衣を着るときに気をつけること

  • 今でこそ夏祭りや花火大会で着られている浴衣は、本来湯上りに素肌にサラッと着るものでした。盛夏を涼やかに、でも艶やかに着こなしたいものですね。といって、衿合わせを開けすぎるといやらしく見えますし、なにより着崩れの原因になりますので気をつけて。
  • 色とりどりの浴衣は化学染料を使用しているものがほとんどです。化学染料に被れることもありますので、素肌に直接着ずに肌着と裾除けをつけるようにしましょう。
  • できるだけ素肌に着ているような感じに仕上げたいので、補整は最小限に。ただしウエストがくびれている方は、そのままでは帯結びが下がってしまうので気をつけて。
  • 化粧はナチュラルに、髪型もすっきりと。
  • 足元は基本的に素足に下駄となります。足爪のお手入れも忘れずに。現代柄のカラフルな化学染料の浴衣なら、水着のときと同じように浴衣に合わせペディキュアも楽しいです。
  • 浴衣のなかには、単衣着物として着ることのできるものもあります(綿紅梅や綿絽 などなど…)。その場合は、普通の着物着装と同じように長襦袢を着て名古屋帯を結び、足袋に草履でお出かけできます。

■語源、浴衣姿今昔

◯ 「浴衣」の語源は[湯帷子(ゆかたびら)]からきたといわれています。湯帷子というのは、平安時代にお公家さまが湯に入る際にまとった白麻の単衣着物のことで、江戸時代、徳川家でもこれにならっていたそうです。江戸時代末期には湯から上がって身体を拭くときに用いられていました。

◯ 今のかたちになったのは、江戸時代の元禄から文化文政、そうです江戸文化が花開いた時代。庶民が銭湯に行くようになり、その際湯上りに直に素肌に着たものが浴衣だったのです。
庶民に対して出された絹布着用禁止令によって木綿が普及。それとともに浴衣は夏の普段着に欠かせないものになっていったのです。

◯ 従来の染め方は大きく分けて四種類。
[長板・注染・籠づけ・絞り]
[長板(ながいた)]節目の少ない良質の樅(もみ)の一枚板(長さ約6.5メートル、幅約42センチ、厚さ約2.5センチ)の長板に生地を張り、型紙を置いて染めます。
[注染(ちゅうせん)]手拭い染の応用である注染は、約九十センチの大きさの型紙にあわせて糊づけを行いながら折りたたみます(糊づけの方法から、折付中型ともいいます)。そのあと染料を布地の上に注ぎます。一度に二反分が染められます。
[籠染(かごぞめ)]両面染の浴衣に使われるのが籠染です。型が打ち抜かれていて黄銅版を腐蝕させて作られたの円筒を「籠(かご)」といいます。機械にセットされた二種の籠が、生地を挟むようにして裏表同時に型つけします。
[絞り]染色技法・天平の三纈(さんけち)のひとつ「纐纈(こうけち)」技法。最大の特徴は絞ることで生地に凹凸ができサラリとした肌触りとなることでしょう。特に有名なものとして有松鳴海絞りがあります。江戸時代四百年以上前、江戸時代より浴衣地として着られています。

◯ 現代は、昔ながらの藍染めだけでなく、化学染料によるカラフルで新感覚のデザインにより、洋服感覚で気軽に楽しめるものが増えてきました。とはいえ浴衣はあくまでも家庭着、遊び着です。気軽に日頃着られないような大胆なものにもチャレンジしてみてはいかがでしょう。

    ※「天平の三纈(さんけち)」=  夾纈(キョウケチ/板締め絞り)
      ・纐纈(コウケチ/絞り染)・臈纈(ロウケチ/ろうけつ染)

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